2014
中村 葵サロンを開いたのは2014年の春、東京・世田谷の住宅街の一角だった。それ以前は都内の大型スパ施設で7年間セラピストとして働いていたが、「回転率を上げるための施術」に限界を感じていた。一日に10人以上を担当し、一人ひとりの身体の変化を追う余裕がなかった。退職を決めた夜、山梨の友人の家で聞いた沢の音が、サロンの名前の原点になっている。
中村 葵サロンを開いたのは2014年の春、東京・世田谷の住宅街の一角だった。それ以前は都内の大型スパ施設で7年間セラピストとして働いていたが、「回転率を上げるための施術」に限界を感じていた。一日に10人以上を担当し、一人ひとりの身体の変化を追う余裕がなかった。退職を決めた夜、山梨の友人の家で聞いた沢の音が、サロンの名前の原点になっている。
開業当初は2室だけだった。最初の半年は予約が週に3件ほどしか入らず、葵は近所の銭湯でアルバイトをしながら施術を続けた。転機は2016年、調香師の橘 誠一氏との出会いだった。橘氏はグラースのフラゴナール社で修業した後、京都で独立していた人物で、葵が手紙を書いて共同開発を依頼した。完成した「瀧の香」シリーズは口コミで広がり、翌年には4室に拡張することができた。